見沼ファーム21のあゆみ

見沼たんぼを

百年後の子どもたちに残そう

見沼代用水と斜面林に囲まれた水田が広く続き、見沼たんぼの原風景を今も留める加田屋新田、その一枚の水田が公有地になる、と聞いて飛び立つ思いで米づくりをやりたいと手をあげてから20余年。米づくり経験はゼロ、何の手立てもない市民たちを、あの時手助けしてくれた細沼武彦さんや膝子農家の皆さんのおかげで、とにかく第一歩を踏み出すことが出来たのでした。

見沼たんぼの水田保全を目的に「市民による米づくり体験活動として参加者を公募し、田植えから稲刈りまでの農作業を体験者と一緒に行う」という方法を、県担当者と相談しながら今のスタイルを編み出しました。

見沼たんぼと言いながら水田は全体面積の6%にまで減少し、その傾向は止むことがありません。農家の高齢化や採算性の低い米づくり、米の消費量の減少など、先行きに希望も持てそうにありません。

しかし米は食糧自給の基本、そして米づくりは国づくりです。また数々の稲作文化は世界に誇る貴重な歴史資産です。更に田んぼは生物多様性や多面的機能の重要な役割を担っているのです。

見沼たんぼの水田を一枚でも二枚でも何とか市民の手で守りたい、その思いを共有する会員たちの努力でここまでやってきました。もちろん会員の思いは様々です。米づくりが面白いから、見沼たんぼの自然が好きだから、健康のために、仲間や農家との交流があるから、自分の作った米を食べたいから、社会貢献になるから、等々。年齢も経験も育った環境も様々な老若男女がこの見沼たんぼという地域で一緒に汗を流し、種を蒔き、稲を育て、実りという大きな恵みを頂く、これは水田保全のみでなく、人を育て、地域を創る営みであったと思います。

―見沼たんぼを百年後の子どもたちに残そう―を目標に、首都圏の、そして埼玉のかけがえのない「未来遺産・見沼たんぼ」を見沼たんぼで活動する多くの団体や皆さんと、そして県や市、関係機関と一緒に知恵を出し合い、協力してこれからも守っていきたいと考えています。

「見沼ファーム21 20周年記念誌」より抜粋

1999年(平成11年) 任意団体「見沼ファーム21」設立

           県委託事業「体験水田米づくり事業」開始

2003年(平成15年) 「ドロンコたんぼ」運用準備作業開始

2004年(平成16年) 「ドロンコたんぼ」運用開始

2005年(平成17年) NPO法人化準備開始

2006年(平成18年) 「見沼たんぼありがとう米事業」開始

2008年(平成20年) NPO法人「見沼ファーム21」設立 法人番号: 2030005002284  

          「援農米づくり事業」開始

          「フナノ」復活制作

2009年(平成21年) 「生きもの調べ」開始

           第2回「フナノ」制作

2010年(平成22年) 第3回「フナノ」制作

2011年(平成23年) 「わら細工」事業開始

2012年(平成24年) 第4回「フナノ」制作

2014年(平成26年) 第5回「フナノ」制作(フナノ実行委員会として)

2015年(平成27年) 「見沼たんぼの生きもの調べ」発刊

2016年(平成28年) 第6回「フナノ」制作(フナノ保存会として)

2017年(平成29年) 「見沼たんぼの生きもの調べ-改訂版」発刊

2018年(平成30年) 第7回「フナノ」制作(フナノ保存会として)

2019年(平成31年) NPO法人「見沼ファーム21」20周年記念誌発刊