援 農

見沼ファーム21の設立から9年後の2007年には、県からの体験水田の委託数が6か所、18,172㎡に増えるなど、活動範囲が拡がり、各田んぼの近隣農家の見沼ファーム21への認識も高まってきました。一方で、全国的な傾向ですが、近隣農家の高齢化や農業従事者の減少により、見沼ファーム21への個人所有田んぼの管理・米づくりの継続依頼の打診が、見沼ファーム21発足前から支援頂いている農家や各田んぼの近隣農家から増えてきました。

見沼たんぼでの多面的な保全活動への展開

様々な議論、調査を経て2008年から、近隣農家から依頼される援農を法人定款記載の「環境保全事業」の一環として「援農・休耕田再生プロジェクト」と位置づけ、3か所、約6,900㎡の援農米づくりを始めることになりました。

その後、近隣農家からの依頼が増え、2021年では15か所44,000㎡余りになり、見沼たんぼの環境保全と地域の農業の重要な担い手としての役割を果たしつつあります。


農作業受委託方式による援農

見沼ファーム21が取り組む援農とは、「農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律施行規 則(2006年農林水産省令第59号)」第1条に規定する「農作業受委託契約」に基づく個人所有田んぼでの稲作支援です。

農地法に抵触することなく、近隣農家の支援依頼に答える方法として、田んぼを賃借したり、単に労働対価を賃金として受け取るのではなく、見沼ファーム21が前払いした種苗費、肥料費、農薬費、農機賃借料などの経費や、耕運、代かき、苗作り、田植、稲刈などの労力提供分を、収穫米から援農報酬米として受け取ることを基本的な条件としています。

援農田んぼでの収穫米の多くは見沼ファーム21の会員が買取り、消費するなど「地産地消米」としているとともに、収益は確定申告をし、毎年、税金を支払っています。

援農(受委託契約)の方法は一律ではなく、契約農家の意向や農機具等の保有状況などを踏まえ、田んぼによって方法が異なっています。主な受委託形式としては、以下のようなものがあります。

①契約農家が農機具(機械操作含む)を提供し、見沼ファーム21が労力を担う

②見沼ファーム21が農機具(機械操作含む)及び労力を担う