見沼ファーム21の体験水田は、農薬や除草剤を使わない無農薬栽培をしています。
なので、そのまま放っておくと稲と一緒に雑草もすくすくと伸びてきてしまいます。
*田んぼの栄養分を雑草に取られてしまいます。すると稲はひ弱な状態でおいしいお米を実らせることが
できなくなります。
*雑草が伸びると、稲に太陽の光が十分に当たらなくなったり、風通しが悪くなり、稲が病気になりやす
くなったり、虫の住処になってしまいます。これも、おいしいお米を実らせることができなくなる原因
になります。
田んぼにはいろいろな雑草が生えてきますが、強くて手ごわい代表が「コナギ」と「ヒエ」です。
コナギは田んぼの雑草の中でいちばん食いしん坊です。田んぼの栄養を稲の2倍もとってしまいます。
まだ小さいうちは土から根を浮かせて
水で流します。
大きくなってしまったら土から抜き取ります。
ヒエは田植え後3週間の深水管理を徹底すると生えてきません。もし生えてきたら、ヒエは稲の仲間なので、見分けるのがとても難しい雑草です。成長が早く、稲よりも高く成長します。田植えの時に植えた列とは違う場所に稲に似た植物が生えていたら、それはヒエかもしれません。(ロープに沿ってまっすぐに田植えをしたのは、田んぼの中をまっすぐに歩きやすく草取り作業がしやすいほかに、ヒエ発見効果もありますね)
ヒエが成長してしまった様子。
種が落ちると次の年はヒエが何倍も生えてきます。
稲とヒエは姿かたちがよく似ています。
節に毛が生えているのが稲。写真は稲です。
おいしいお米を作るには、田んぼに雑草が生えないようにする工夫と、生えてきてしまった雑草を取り除くことが大切です。
田んぼの水を深くすることで土を空気にさらさず、太陽の光が土まで届くのを防いで、雑草が生えてこないようにしています。
それでもどうしても雑草が生えてきてしまいます。生えてきてしまった雑草はていねいに根気強く手作業で取り除いていきます。
この草取りの作業は「中耕除草」とも言われています。
「中耕除草」の中耕とは作物の生育の途中で、根ぎわの表土を浅く耕すことです。除草を兼ねるので「中耕除草」と呼ばれます。
稲の生育初期に根の周りの土を浅く耕すことで、根の周りの雑草を取り除くことができるのです。
また中耕除草には次のような効果もあります。
1. 土を撹拌(かくはん)してほぐすので、根に酸素が送り込まれ、呼吸や発根を促進します。
また、肥料の吸収も促進します。
2. 土の中の藁などの有機質が発酵してメタンガスや硫化水素などの有害ガスを発生する場合があります
が、土を撹拌することで田んぼのガス抜きもできます。
田んぼに入って、稲一列をまたいで立ちます。
その列を前へ進みながら作業をします。
自分が立っている2列を草取りします。
苗を踏まないように気を付けましょう。
もし、苗を踏んで倒してしまったときは、
苗の周りに土を寄せて上から軽く抑え、
苗を起こしてあげましょう。
手は上からボールをつかむような形にします。
指の第一関節くらいまで(1~2センチ)を土の中に入れて、
前後左右にぐるぐると動かし、土をかき混ぜます。
かき混ぜていない場所がないように、ゆっくりとていねいに動かしましょう。
特に稲の根元は根を傷めないようにていねいにやさしくかき混ぜましょう。
土をかき混ぜることで、もやしのヒゲのような小さい雑草の芽は、水の上に浮いてきます。
浮いた雑草は、水の流れで押し流されていきます。
浮いてきた雑草の根。
6月下旬になってくると田んぼに残っている雑草は大きくなってきます。
大きくなってきた雑草は根を浮かせるだけでは、また土に根付いてしまいます。
しっかりと抜き取り、畦に上げます。
田んぼのはいる時に、スタッフから雑草入れようの網(ネット状の袋)を受け取ってから田んぼに入りましょう。
*熱中症予防のために、田んぼに入る前に水分補給をしましょう。
*途中で体調が悪くなったときは、無理をしないでください。
*田んぼには親子で一緒に入り、一緒に作業しましょう。
*大人の方の間にお子さんが入るように並んでください。大人の方には子どもの作業の手助けをお願いします。声をかけながら、楽しく作業しましょう。
*早さを競うものではありません。慌てずにしっかりとていねいに土をかき混ぜましょう。
*苗を踏まないように、ゆっくりと歩きましょう。
もし、苗を踏んでしまったときは、起こしてあげましょう。
*田んぼにはみんなが植えた苗が並んでいます。田んぼの中で走ったり、歩き回ったり、泳いだり、遊んだりすると苗が倒れたり、折れたりしてお米ができなくなってしまいます。静かに歩きましょう。